2023.10.22 カイザルに税、神様に自分の人生
マタイ22:15-22
22:15 それから、ファリサイ派の人々は出て行って、どのようにしてイエスの言葉じりをとらえて、罠にかけようかと相談した。22:16 そして、その弟子たちをヘロデ派の人々と一緒にイエスのところに遣わして尋ねさせた。「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方であることを知っています。人々を分け隔てなさらないからです。22:17 ところで、どうお思いでしょうか、お教えください。皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」
22:18 イエスは彼らの悪意に気づいて言われた。「偽善者たち、なぜ、わたしを試そうとするのか。22:19 税金に納めるお金を見せなさい。」彼らがデナリオン銀貨を持って来ると、22:20 イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。
22:21 彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」22:22 彼らはこれを聞いて驚き、イエスをその場に残して立ち去った。
私達が良いキリスト信者であるので、ちゃんと税金を納めます。それをするのには、２つの理由があります：先ず、イエス様は、「皇帝のものは皇帝に…返しなさい」と言われたからです。又、「隣人を愛せよ」と言う戒めがあるからです。イエス様は、「神のものは神に返しなさい」とも言われました。それをよく理解する為に、税金を払う事について話しましょう。
税金とは何でしょうか。根本的に言いますと、私達が公にいろいろの品物やサービスをもらいますので、税金によってそれを払います。このように考えましょう。レストランに行きますと、食べ物とサービスをいただきます。最後に、その食事の代金を払います。払わないでレストランを出ようと思いましたら、あなたは、けちん坊、正直じゃない泥坊で、レストランのウエイターが警察を呼びます。もし町に住みましたら、その地域の政府からいろいろの品物やサービスを受けます：教育、道路、火事のときの消防署の守り等など。子供や仕事が出来ない人や社会福祉を受ける人ではなければ、その品物やサービスを税金で払わなければ、あなたは正直じゃないけちな人として、政府があなたを泥坊として扱い、警察を送ります。時々、政府に反対と思う人が、その反対の意思を現す為に税金を払おうと思いません。例えば、アメリカでは、ベトナムの戦争の時、その戦争に反対する人がいました。アメリカの国の予算の１０%がその戦争の為に使っていたので、自分の納めるべき税金から１０%を引いて送りました。勿論、税務署（ぜいむしょ）がそれを認めませんでした。全部を払わないと、刑務所行きになりました。
イエス様の時代では、その地域の税金や神殿の税も、ローマに送る税金もありました。ローマを憎む人は、その税金も大嫌いでした。もしその税金を払わなければ、ローマの政府がそれを反逆罪（はんぎゃくざい）のように見たので、ローマの政府がすぐその反逆者を罰しました。多分、イエス様に聞かれた質問は、その反逆についての質問だったでしょう。イエス様が税金を払わないでローマに対する反逆を教えるでしょうか。実は、彼らはイエス様を罠にかけようと思いました。「どうお思いでしょうか、お教えください。皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」 もしイエス様が税金を払いなさいと言われましたら、多くの人々ががっかりするでしょう。もし、税金を払ってはいけないと言われましたら、ローマの指導者がイエス様を逮捕して、十字架上で死刑にします。イエス様はこのように答えました、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」 言い換えますと、ローマに税金を払って、しかし、なお更に大切なものを神様に払いなさいと。政府は、税金を払わない人を罰しますが、神様の罰はなお更にきびしいです。言い換えます、ローマに対する反逆は駄目であり、神様に対する反逆も駄目です。両方のものに対して忠実にしなさいと。
22:18 イエスは彼らの悪意に気づいて言われた。「偽善者たち、なぜ、わたしを試そうとするのか。22:19 税金に納めるお金を見せなさい。」彼らがデナリオン銀貨(ぎんか)を持って来ると、22:20 イエスは、「これは、だれの肖像(しょうぞう)と銘(めい)か」と言われた。
22:21 彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」
もしローマ帝国のコインには、皇帝カイザルの肖像（しょうぞう）と名前がついていましたら、創造物のすべてには、神様の肖像や持ち主の名義（めいぎ）がハンコのように押されています。今度聞くのは、私達が神様に「税金」を払うべきでしょうか。神の国はその国民から税金をとるでしょうか。神様は私達に多くの品物やサービスを与えます。サービスとして、命と守りと幸せと救いを下さいました。この神様の恵みの中のあるものは、ローマ皇帝カイザルによって、即ち、政府によって私達に与えられています。即ち、政府によって神様が地上の私達にサービスを与えます。どのぐらいの“税金”を神様に収めたら良いでしょうか。もちろん、この世のすべての富をもって払ったとしても、全宇宙の恵みの為に全然足りません。その上、イエス様はお金を使って私達をあがなってくださいませんでした。金や銀ではなくて、ご自分の尊い十字架上で流された血によって私達をあがなわれました。この負債（ふさい）を決して返す事が出来ません。
それで、どのように「神のものは神に返す」事が出来るでしょうか。私達から、神様が何を欲しいと思われるでしょうか。もしかしたら、日曜日の献金、良い行いと慈善（じぜん）、隣人の愛、政府に税金を払う事、良い国民になる事、良い子で過ごす事でしょうか。それはそうですが、それだけでは足りません。私達の努力（どりょく）によって、私達は決して自分の救いの値段を払う事が出来ません。自分の行いや良い業によって自分を救う事が出来ません。
神様の国のコインは何でしょうか。イエス・キリストの肖像と銘(めい)をどこに見るでしょうか。十字架です！彼の御名が十字架に架かっている時に彼の頭の上に書かれていました。その十字架こそが悪魔や死から私達の自由を買います。それが、「子羊の血によるあがない」と呼ばれています。それは私達の救いの値段でした。それが神様から私達に与えられたサービスです。もし私達が「神のものを神に返す」事でしたら、私たちに与えられたのはキリストの十字架です。信仰によって私達はその救いを頂きます。十字架の利益が私達に与えられていましたので、今度、私達はその十字架を背負ってイエス様の後に従います。その十字架はイエス様を殺しました。私達の場合も同じです、私達の死にもなります。即ち罪に対する死ですが、同時に私達の死と復活です。洗礼によって溺れ、また復活、そして世の最後の日の甦りです。私達がその十字架を背負う時、私達の神様に対する忠実さを表します。私達はもう神様の国の反逆者ではありません。要約としての結論とは、「神のものを神に返す」事とは、ただ、自分の人生を神様に捧げる事です。
♪教会讃美歌４２３♪
わがささぐる ものはすべて
神よりうけたる たまものなり
アーメン。 マイケル・ニアフッド牧師、沖縄ルーテル教会