2022年３月２0日、受難節第三週日C
何故か？いちじくの木の答え
福音書 ルカ13: 1～ 9（新134）
13:1 ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。13:2 イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。13:3 決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。13:4 また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。13:5 決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」
<P>13:6 そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。13:7 そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』13:8 園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。13:9 そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」
エルサレムでシロアムの塔が倒れた時に、１８人が死にました。 ピラトは礼拝する時にカリラヤ人の巡礼者を殺しました。
ニューズを見るたびに世界中のどこかで新しい悲劇があるみたいです。地震や津波や疫病のような天災があれば、火事、スキャンダル、犯罪や戦争や宗教の戦争でクリスチャンを殺す事件、テロリストアタックのような人間の作った災いもあります。それが起こるたびに人々は「何故か」と聞きます。
テレビのニューズのアナウンサーは説明しようと思います。地理学や気候学や政治や精神的や医学的な説明があります。
しかし、人々は「何故か」と聞くとき、その物質的な原因を聞かないで、もっと深い質問をします。「どうしてぼくが？どうして僕の友達が？どうしてこの小さい子供が？どうしてその罪の無い人々が？」と。もう一つの有名な質問とは、「どうして良い人に悪い事が起こるか」と。テレビのアナウンサーや科学者や医者はそれに答えられません。説教者も説明することも出来ません。神様しか答えられません。そしてイエス様は、その質問が間違っている質問であると言われました。
今日の福音書には、人々はイエス様に悲しいニューズを告げました。ピラトは礼拝する時にカリラヤ人の巡礼者を殺しました。そのニューズを伝えた人々はイエス様にこのように聞いたみたいです、「どうして神様はこのようなひどい事を許したでしょうか。その人が礼拝する人だったので、悪い罪人ではないでしょう。」と。イエス様は、彼らがほかのガリラヤ人よりも罪深い者ではなかったと言われました。（イエス様の弟子達もガリラヤ人でした。）言い換えますと、何かの罪の為に神様が罰した訳ではありませんでした。
又、エルサレムでシロアムの塔が倒れた時に、１８人が死にました。イエス様は彼らが犯した罪の為に罰された訳ではないと言われました。彼らは普通の罪人でした。イエス様は弟子達の質問を逆にしました。どうしてその人達が殺したかではなくて、どうしてあなた達が殺されなかったでしょうかと。あなた方は彼らと同じように罪人ですので、彼らの変わりにあなた方が殺されてもかまわないでしょう。そして、イエス様は「悔い改めなさい」と言われました。さもないと、あなた方にも同じような事が起こるでしょう。
言い換えますと、塔が倒れる時は悔い改めの時です。(建物の塔、教会の塔、自分に頼るものーー家族、友人、健康、お金が“倒れる”時です。人生に大切にするものです。)その時は悔い改めの時です。
悔い改めは木の実のようです。悔い改めはただの悪い思いだけではありません。又、悔い改めとは、祈りをもって自分の罪のために、ごめんなさいと言っている事だけではありません。又、悔い改めとは、自分の罪の結果から逃げたい事だけではありません。その事から始まるかも知れませんが、悔い改めはイエス・キリストの赦しをつかむことです。悔い改めは自分の人生の中でイエス様を受け入れることです。そして、イエス様があなたの人生の中にいますと、あなたはクリスチャンになります。即ち、その時、あなたの人生はキリストの人生になります。キリストはあなたの中で働いて、又、あなたを通して働いています。このようにして、あなたは他の人に現れるキリストです。そして、キリストがあなたを通して誰かに表されていますと、それは木の実のようです。キリストがあなたの中にいる証拠になります。
今日の福音書を読むたびに、私は自分の父を思い出します。父の庭には、花と野菜と果物の木がありました。その中には、あんずの木がありました。しかし、果物の実を結ぶのは一回だけでした。その後に実を結びませんでした。３年後、その木を切り倒しました。その前に、実が結ぶようにいろいろやってみました：せんてい、こやし、殺虫剤、コンポストなどです。しかし、最後に、木を切り倒して、その場所に実を結ぶ木を植えました。プラムの木でした。何年間で美味しい実を結びました。
例え話の中で神様が言われるのは、実を結ばない木はぶどう園の土地を無駄にふさいでいます。場所がもったいないですし、土の栄養ももったいないです。勿論、神様は人間の事を言われます。その例え話が最初にイエス様をメシヤとして受け入れなかったイスラエルの事を意味したでしょう。が、私達の為にも裁きの言葉です。
しかし、イエス様は良い園丁です。「今年もこのままにしておいて下さい。木の周りをほって、肥やしをやってみます。」その木に栄養を与えます。イエス様は良い知らせを宣べ伝えました。３年間ほどの公の宣教の働きに神様の愛について話しました。又、その木である私達に御自分の命の血によって栄養を与えて下さいました。昔から、植物に与える栄養は肥やし又コンポストです。両方共は、捨てられた物、価値がないと見える物です。枯れ葉や枝やくさった果物がコンポストの所に捨てられています。そこで腐ってしまいますと、コンポストに変わります。それは花や野菜やほかの植物にとって、素晴らしい栄養になります。これはイエス様のようです。人間はイエス様をゴミのように捨ててしまいました。イエス様の愛についてのメッセジーを枯れ葉のように思いました。イエス様を十字架につけて殺しました。彼の死んだ体をお墓の中に置きました。キリストは十字架上で死にました。腐敗と死が彼の体を腐れさせませんでした。全能の神様は、その死んだ体を生きている体にしました。復活によって、死と腐敗の力が命と癒やしの力によって征服されました。ですから、私達の甦られた主、イエス・キリストは私達に命と癒やしと栄養を下さいます。私達は悔い改めの実を結んで活きます、即ち、信仰の生活ぶりを送ります。
最初に、災いについて話しました。福音書の中では、この地球を揺り動かす出来事があります。それは、イエス・キリストが十字架上で死んだ時です。どうしてイエス様が死んだでしょうか。イエス様はそのような悲劇を受けるべき罪人でしたか。ハイとイイエです。イイエとは、イエス様は決して一つの罪も犯した事がないからです。しかし、ハイとは、御自分の上に世の罪を取ったからです。それで、世の一番ひどい罪人になりました。もしイエス様が十字架上で死ななければなりませんでしたら、私達一人一人が十字架上でや別の方法で死ぬべきでした。ですから、イエス様は「悔い改めなさい」と言われました、そして、悔い改める力も下さいました。即ち、「信仰によって、聖霊の力によって」活きるように力を与えました。イエス様は私達に栄養を与えます、それは、御言葉、祈り、と聖餐式です。
アーメン。
マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会